飲食店の設備工事費用と注意点

飲食店の主な設備工事は、以下の5つになります。

  1. 電気工事
  2. ガス工事
  3. 水道工事
  4. 空調工事
  5. 排気工事

飲食店の「電気工事」

飲食店の「電気工事」は、造作が何もないスケルトンの場合、コンセントと照明器具の配線、エアコン、給排気ファン、大きい冷蔵庫などの動力の配線工事、引き込み工事です。

容量が足りない細い線の場合は、容量を増やすための幹線引き換え工事が必要になります。

幹線引き換え工事がなければ、15坪~20坪程度の物件で、照明器具を除いて80万円~100万円くらいです。居抜きであれば、照明器具を取り替える程度で済みますので20万円くらいです。

飲食店の「ガス工事」

飲食店の「ガス工事」は、飲食店用としてガスが入っていれば、基本的に配管工事だけですので35万円~40万円くらいで出来ます。

給湯器などの機器は、ガス屋さんに付けてもらうと良いでしょう。水道屋でも取り付けはできますが、ガスの配管免許を持っている人しか取り付けが出来ません。排気の出し方など規制も多いので、ガス屋さんに付けてもらうのがベストです。

居抜きであれば、器具の付け替えや、位置的に配管を伸ばしたりする程度の工事なら10万円前後でできます。

プロパンガスについて

プロパンガスは高いと心配する人が多くいますが、本当でしょうか?

実は、プロパンガスには、都市ガスのように設定された定価がありません。例えば、大手のレモンガスは比較的安くて、それ以外のプロパンガス屋さんは、地域によって価格が違いますが高めです。

プロパンガスは業者が価格を決められるので、最初の契約の時に高めに言ってくる業者もいます。相場はなく、ガスの使用量によって変わります。

プロパンガスのメリットは、最初の工事代金が安いことで、タダでやってくれるところもあります。

一概に都市ガスとどちらがいいか判断するのは難しいのですが、ガス代は都市ガスの1.5~2倍くらいかかります。もしもプロパンガスを使用するなら、何社か相見積りを取ってみましょう。

ただし、プロパンガスの選択は2つしかありません。元々都市ガスがないか、都市ガスでは容量が増やせないのでプロパンガスにするかのどちらかです。

積極的にプロパンガスを選択する理由はありません。あとは、工事代金がないということでプロパンガスを選ぶお客様もいます。

飲食店の「水道工事」

飲食店の「水道工事」は、業種にもよりますが、トイレが何もないスケルトン状態ならば60万円~120万円くらいです。

飲食業の場合、保健所から付けるように指導される「グリストラップ」という油やゴミを除去する装置があり、この大きさが業種によってマチマチになので、価格の変動が大きくなっています。

簡単なカフェなら、シンク下の床置きのグリストラップもあります。珈琲の粉を流したりするだけなら、水道管を太くするだけでも大丈夫です。

油だけでなく、粉モノは水道管にたまります。油は使わないパン屋なども、ネバネバの小麦粉が水道管を細くしていってしまうので、予め配管の太さを替えておく必要があります。

グリストラップも、居抜きであれば安くなります。

居抜きの場合、グリストラップと元の配管に高圧洗浄をかけるだけですので、厨房機器の配置替えと考えれば10万円~15万円くらいで済みます。出店階数によって変わりますが、1階の路面店であれば8万円くらいです。

飲食店の「空調工事」

飲食店の「空調(エアコン)工事」は、室外機をどこに置くかによって大きく変わります。

普通に床面に置けるなら、普通の居酒屋だと6馬力~8馬力程度なので、1台で80万円~120万円くらいです。

10階建てのビルで、クレーンで屋上に室外機を持っていかなければならない場合は、設置費用はもちろんですが、室外機とエアコン自体との距離が離れて大きくなればなるほど、エアコンの馬力数を上げなければエアコンがきかなくなります。その結果、エアコン自体の価格もアップします。

居抜きであれば、本体と室外機をばらしてオーバーホールするだけなので、1台に対して12万円くらいです。

飲食店の「排気工事」

飲食店の「排気工事(ダクト)」は、ピンキリですが、ビルの上にダクトを持っていくと、足場とダクトの費用だけで120万円~150万円くらいかかります。

そのまま壁から排気したとしても、厨房のフード、店内の換気扇2箇所ぐらい、トイレの換気扇、給排気の工事を入れると、80万円~100万円くらいはかかります。

排気工事は、給排気という形になるので、店内全部をやらなければなりません。排気、つまり吐き出すには、外の空気を中に吸い込まないと吐き出せないため、お金がかかるのです。

そういう意味では、壁から直接排気できる物件を探した方がベターですが、都内の繁華街にはほとんどありません。繁華街で出店したいなら、最初からダクトを設置している物件があるので、そういう物件を探した方がいいでしょう。

全く排気の道のない物件で、煙の出る商売はお金がかかって大変ですし、飲食業では煙の出ない業種はまずありません。

イタリアンでもにんにくのニオイがありますし、焼肉屋では消臭装置を付けなければいけないケースも出てきます。消臭装置を付ける場所も確保しなければなりませんし、金額も200万円くらいかかってしまいます。

同業種の居抜きであれば、少し清掃するくらいですので、ダクト業者が入らなくても、最終的な引渡しの前に掃除するだけで終わります。同業の居抜きであれば、コストはゼロです。

ただし、業種が変わると熱量が変わる場合があります。元々はガスレンジしかなかったのに、フライヤーとパスタボイラーが入ると、フードもファンも大きくしなければなりません。そうなると吸気も大きくしなければならなくなり、当然コストが発生します。

いずれにしても、空調と排気は、電気、ガス、水道よりもお金がかかります。

新装にするか?居抜きにするか?

いかに設備工事に費用をかけずにオープンするかを考えれば、居抜きは確実に安くなりますが、それをいじると逆に高くついてしまう場合もあります。

スケルトンから設備工事を一式やる場合の目安は、新装だと最低でも300万円くらいはかかります。これが居抜きだと、業種が変わらなければ100万円もかかりません。

ただ、最後に改めて強調しておきたいことは、新装にするか居抜きにするかは、コンセプト次第ということです。コンセプトにマッチするのであれば居抜きでも構いませんし、マッチしなければ新装にするしかないでしょう。

すべてはコンセプトありきなのです。

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